家族信託と遺言の違い
|どちらを選ぶ?どう使い分ける?
相続対策としてよく聞く
「家族信託」と「遺言書」。
どちらも財産承継の手段ですが、
役割も効果もまったく異なります。
ここでは、両制度の違いと使い分けの考え方を解説します。
そもそもの役割が違います
まず、最大の違いは「始まるタイミング」です。
● 遺言書
→ 本人が亡くなってから効力が発生
● 家族信託
→ 契約した時点から効力が発生
この違いが、
できること・向いている人の違いにつながります。
機能の違いを比較
| 項目 | 家族信託 | 遺言 |
|---|---|---|
| 効力発生 | 契約時 | 死後 |
| 認知症対策 | 可能 | 不可 |
| 財産管理 | 在世中から可能 | 不可 |
| 不動産対応 | 柔軟 | 限定的 |
| 財産承継 | 柔軟 | 基本的 |
| 世代先設計 | 可能 | 原則不可 |
遺言書が向いている方
✅ 相続人関係がシンプル
✅ 財産が預貯金中心
✅ 認知症の心配がない
✅ 平等に分けたい
✅ コストを抑えたい
このような場合は、
遺言書だけで十分なケースも多くあります。
家族信託が向いている方
一方、家族信託が活きるのは次のようなケースです。
✅ 不動産が複数ある
✅ 認知症のリスクを感じている
✅ 長期間の管理が必要
✅ 孫の代まで承継設計したい
✅ 成年後見制度は使いたくない
併用がベストなケースもあります
実務では、
「どちらか」ではなく
「両方使う」
というケースも多くあります。
たとえば…
- 不動産 → 家族信託
- その他資産 → 遺言
というように、
役割分担させることで万全な対策が可能です。
遺言だけでは足りない場面
よくあるのが、次のようなケースです。
🔴 認知症になる
→ 遺言を書けない
→ 財産が動かせない
→ 成年後見に進む
この流れを防ぐ手段として、
家族信託が活用されます。
制度選択のポイントはひとつ
重要なのは、
「何を守りたいか」
「家族をどう守りたいか」
その視点で制度を選ぶことです。
制度はあくまで手段であり、
目的は「家族の安心」です。
制度選びに迷ったら
「うちはどちらが必要なのか分からない」
これは、ほとんどの方が抱く疑問です。
むしろ、
分からない段階で検討されていること自体が、
とても大切な一歩ともいえます。

