名寄せ帳(名寄帳)とは?
― 被相続人名義の不動産をまとめて把握するための重要資料 ―
相続手続きを進めるなかで、
「実家以外の土地があると聞いたが、場所が分からない」
「固定資産税の通知が来ない土地がありそう」
といった不安を抱える方は少なくありません。
そのような場合に活用されるのが、**名寄せ帳(名寄帳)**です。
名寄せ帳とは何か?
名寄せ帳とは、
市区町村単位で、
特定の人が所有している
「すべての固定資産(土地・家屋)」を
一覧にした課税台帳
のことをいいます。
正式には
「固定資産課税台帳の名寄帳」
と呼ばれます。
名寄せ帳で分かること
名寄せ帳を取得すると、次のような情報を確認できます。
✅ 所在地(地番・家屋番号)
✅ 地目・種類
✅ 面積
✅ 評価額
✅ 課税標準額
✅ 持分(共有の場合)
→ 被相続人が、その市区町村内で所有していた不動産の全体像が把握できます。
なぜ相続において重要なのか?
不動産は、
- 登記されていない建物
- 昔購入した土地
- 相続未登記の親名義の土地
などが混在していることが多く、
「把握できていない不動産」が存在するケースが頻発します。
名寄せ帳を取得することで、
登記簿では追えない「持ち不動産の一覧」を確認する
ことができます。
名寄せ帳で「分からない」こと
名寄せ帳は万能ではありません。
❌ 他の市町村の不動産
→ 市区町村ごとに請求が必要
❌ 名義が違う不動産
→ 亡くなった方名義でなければ表示されない
❌ 山林・原野で課税されていない土地
→ 名寄帳に出ないケースあり
❌ 登記の名義人
→ 登記簿の名義とは必ずしも一致しない
名寄せ帳は誰が取れるのか?
次の人が取得できます。
✅ 本人
✅ 相続人
✅ 代理人(委任状が必要)
取得に必要な書類の例
一般的に必要になるのは、
- 申請者の本人確認書類
- 相続関係を示す戸籍類
- 被相続人の死亡記載のある戸籍
- 委任状(代理申請の場合)
行政書士ができる支援内容
行政書士は、
✅ 必要書類の案内
✅ 請求書の作成支援
✅ 委任状の作成
✅ 取得後の読解補助
✅ 不動産一覧表の作成
など、取得から整理までをサポートします。
名寄せ帳と登記事項証明書の違い
| 比較項目 | 名寄せ帳 | 登記簿 |
|---|---|---|
| 管轄 | 市区町村 | 法務局 |
| 用途 | 課税管理 | 権利管理 |
| 内容 | 税務情報 | 所有権情報 |
| 網羅性 | 市区町村内 | 全国(場所特定が必要) |
「名寄せ」とはどういう意味?
名寄せとは、
「人」を基準にして財産をまとめること
を意味します。
登記簿は「土地ごと」、
名寄帳は「人ごと」に不動産を見ます。
まとめ
相続財産の調査において、
名寄帳は、
不動産の「取りこぼし」を防ぐための必須資料
です。
不動産調査は、名寄せ帳と登記確認を
セットで進めることが重要です。

