【医療と法務|ALS 第9回】

「延命治療、どう決める?」

~ALSと医療意思決定の制度~


ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、呼吸筋や嚥下機能の低下により、最終的に呼吸補助の選択が求められる疾患です。
このような命に関わる場面で「自分の意思をどう残すか」が重要なテーマとなります。


❖ 選択を迫られる場面とは?

ALSの進行によって、次のような場面で決断が必要となります:

  • 自発呼吸が難しくなり、人工呼吸器の装着を検討するタイミング
  • 経口摂取ができなくなり、胃ろうなどの栄養管理を選ぶとき
  • 意識がしっかりしていても、伝える手段が失われる状態になる前に備える必要がある

❖ 医療意思決定に関する法制度・制度

ALS患者のように「判断能力があるが意思表示が難しくなる」ケースにおいて活用される制度には以下があります:

制度名主な内容
事前指示書(リビングウィル)人工呼吸や心肺蘇生などについて、事前に望まない治療を明記する文書
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)本人・家族・医療者が繰り返し話し合いながら将来の医療方針を共有する仕組み
任意後見契約判断能力が低下したときに備え、信頼できる人に生活・医療の支援を依頼する契約

❖ ALSにおけるACPの重要性

ACPは、医師との話し合いを通じて、本人の価値観・希望を医療や介護に反映するプロセスです。
ALS患者にとってのACPは、単なる「治療方針の確認」ではありません。

  • 意思伝達手段の喪失に備えた情報共有
  • 家族の精神的負担を軽減する準備
  • 将来の医療判断に迷いが生じないようにする本人の意思の明確化

❖ 法務と制度の連携が大切

医療に関する意思表示も、書面で残すことで法的に強い力を持つようになります。
公正証書や任意後見契約など、法的手続きを通じて「本人の意思」を補完する体制を整えておくことが望ましいです。


🔑 まとめ

  • ALSは、時間の経過とともに「伝える手段」が制限されていく病気
  • 医療意思決定を支える仕組み(ACP・リビングウィル・任意後見)を活用することが重要
  • 法的なサポートを受けながら、自分らしい生き方を準備することができる

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