相続手続きを長期間放置してしまったら?|トラブルと再開のポイントを行政書士が解説


■ はじめに

「もう何年も前に親が亡くなったけれど、手続きをしていない」
「誰が何を相続するか決めないままになっている」
——このように相続手続きを長期間放置してしまう方は少なくありません。

しかし、放置しておくと、

  • 登記や預貯金の手続きが困難になる
  • 相続人が増える
  • 書類が揃わない
    などの問題が重なり、手続きがより複雑化していきます。

ここでは、行政書士が放置後に起こるトラブルと、再開するための実務ポイントを解説します。


■ 1. 相続手続きを放置すると起こる主な問題

① 相続人が増えて協議が困難に

長期間経過すると、当初の相続人の一部が亡くなり、**「代襲相続」**によって新しい相続人が加わります。
結果として、

  • 相続人の数が増える
  • 連絡が取れない人が出てくる
  • 話し合いがまとまりにくくなる
    といった事態が発生します。

② 不動産の名義変更ができない

不動産を相続しても、登記をしないまま放置すると名義人が亡くなっている状態になります。
そのまま何十年も経過すれば、登記簿上の名義が「故人のまま」になり、売却や管理が難しくなります。

※2024年4月からは「相続登記の義務化」が始まり、
相続発生から3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料が科される可能性もあります。

③ 預貯金・証券の払い戻しが難航

金融機関では、一定期間が経過すると休眠口座扱いになり、相続手続きがさらに煩雑になります。
戸籍の取得や相続人調査を最初からやり直す必要もあります。


■ 2. 放置後でも手続きは可能

時間が経過していても、相続手続きをやり直すことは可能です。
ただし、

  • 戸籍が多くなっている(除籍・改製原戸籍が増える)
  • 相続人関係が複雑化している
    ことが多く、正確な相続関係図の作成から始めるのが第一歩です。

行政書士は、

  • 相続人調査(戸籍収集)
  • 相続関係説明図・財産目録の作成
  • 遺産分割協議書の作成支援
    を通じて、止まっていた手続きを再開できるようサポートします。

■ 3. すでに相続人が亡くなっている場合の対応

放置期間が長いと、一次相続人の一部が亡くなっており、二次相続(再相続)の形で進める必要があります。
この場合、

  1. 一次相続人の相続関係を確定
  2. その相続分をさらに二次相続人へ引き継ぐ
    という二重の手続きが必要です。

複雑な場合には、専門家が図面で関係整理を行い、どの段階から再開できるかを明確にします。


■ 4. 放置状態からの再開手順

  1. 相続人の現状を確認(存命・連絡先)
  2. 全員の戸籍を再取得
  3. 財産の現況確認(不動産・預金など)
  4. 遺産分割協議書を作成
  5. 登記・金融機関手続きへ進む

「まず何から始めればよいか」が分からない場合でも、相続関係図を作ることから再スタートできます。


■ 5. 行政書士によるサポートの特徴

  • 長期間放置された案件でも、戸籍収集から整理可能
  • 相続関係が複雑なケースでも、関係図と書類で見える化
  • 司法書士・税理士と連携して、登記・税務までワンストップで調整

「今さら手続きできないのでは…」というケースでも、まずは現状の整理から始めることで、再開の糸口が見えてきます。


■ まとめ

放置期間想定される問題対応
数年書類紛失・相続人不明戸籍収集・関係整理
10年以上相続人の増加・代襲発生相続関係図を再作成
20年以上登記義務違反・休眠財産化専門家連携による再手続き

相続手続きは、時間が経てば経つほど複雑になります。
**「今からでも遅くない」**という視点で、早めの再開を検討しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です