戸籍における「養子縁組」の見方と記載のポイント

― 相続手続きで見落としやすい重要事項 ―

相続の現場で意外と多いのが、
戸籍に記載された養子縁組を見落としてしまうケースです。

養子縁組は、戸籍上きちんと記載され、
その内容次第で相続関係に大きな影響を与えます。

「血がつながっていないから相続人ではない」
これは、法律上は誤りです。


養子は「実子と同等の相続人」です

民法上、養子は原則として実子と同じ相続権を持ちます。

  • 養子であっても法定相続人
  • 実子と同順位
  • 相続分も同じ

したがって、戸籍に養子縁組の記載があれば、
必ず相続人としてカウントする必要があります。


戸籍にどう記載されるのか?

養子縁組をすると、戸籍の「身分事項」欄に次のように記載されます。

記載例(イメージ)

○年○月○日
養子縁組 ○県○市○番地
養親 父 ○○ ○○
   母 ○○ ○○

このように、
縁組日・養親の氏名・住所が記載され、
法的に親子関係が成立したことが明確に分かる形になっています。


普通養子縁組と特別養子縁組の違い

戸籍上の記載から、
「普通養子縁組」か「特別養子縁組」かを見分けることも重要です。

普通養子縁組

  • 実親との親子関係は継続
  • 養親・実親の両方の相続権を持つ
  • 戸籍に実親の記載が残る

特別養子縁組

  • 実親との親子関係は終了
  • 養親のみ相続関係が生じる
  • 原則として戸籍上、実親の記載が消える

よくある誤解と注意点

❌ 「養子だから相続できない」

→ 完全な誤りです。

❌ 「戸籍の名前が違うから無関係」

→ 養子縁組で氏が変わることがあります。

❌ 「同居していなかったから相続人でない」

→ 同居の有無は無関係です。


さらに注意すべきポイント(実務編)

● 養子縁組が解消されている場合

戸籍に

離縁

と記載があれば、養子関係は終了しています。
この場合、相続人にはなりません。


● 養子が先に亡くなっている場合

養子が相続開始前に亡くなっている場合、
養子の子が「代襲相続」するかどうかは、
普通養子か特別養子かで結論が異なります。


● 養子がたくさんいるケース

相続対策として養子縁組がされている場合、
相続税の基礎控除に影響することがあります。

(※税務の詳細は税理士分野となるため、別途案内)


行政書士が養子縁組の戸籍を見るポイント

行政書士は、養子縁組について以下を確認します。

✅ 縁組の種類(普通・特別)
✅ 離縁の有無
✅ 養子の順位と人数
✅ 養子の死亡日の確認
✅ 実子との関係性
✅ 相続関係説明図への反映


まとめ|養子縁組は「記載の一行」が相続の結果を変えます

戸籍の中のたった一行の

「養子縁組」

という記載が、
相続の結果を大きく左右することがあります。

読み落とし、判断ミスがあると、

  • 相続人の漏れ
  • 手続き無効
  • 後からトラブル

につながりかねません。


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