相続放棄の「業際」とは?
― 行政書士ができること・できないことを正しく解説します ―
相続放棄の相談を受ける中で、
「行政書士にどこまで頼めるのか?」
「弁護士でないとダメなのか?」
という疑問を持たれる方は少なくありません。
相続放棄には、
行政書士が関与できる業務と、弁護士でなければできない業務が明確に分かれています。
この線引きが、いわゆる「業際」です。
行政書士ができること
行政書士は、相続放棄において
書類作成と手続き支援の専門家です。
✅ ① 相談者の状況整理(事実関係の確認)
- 亡くなった日時
- 被相続人との関係
- 財産状況
- 知った時期の整理
✅ ② 必要書類の案内・収集代行
- 戸籍謄本
- 住民票
- 除籍謄本 など
✅ ③ 相続放棄申述書の作成補助
申述書の記載方法を説明し、
記載例の提供・書類作成の支援を行います。
✅ ④ 家庭裁判所に提出する書類一式の整理
✅ ⑤ 照会書への回答方法の説明
裁判所から届く質問票について、
どのように書くか「一般的な注意点」をご説明します。
(※内容の代筆・代理回答は行えません)
行政書士ができないこと(弁護士の業務)
以下は、弁護士のみが行える業務です。
❌ ① 裁判所への代理申立て
行政書士は、
家庭裁判所への申立て代理はできません。
❌ ② 放棄するかどうかの法律判断
「今回のケースは放棄すべきか?」
という法律判断を伴う助言は、弁護士領域です。
❌ ③ 他の相続人とのトラブル対応
相続人同士の交渉や紛争対応はできません。
❌ ④ 熟慮期間の伸長申立て
3か月の期間を延ばすための申立てについては、
弁護士に依頼する必要があります。
グレーゾーンに注意
●「書類作成」と「法律判断」の境界
たとえば、次のような相談は注意が必要です。
❌「この場合、放棄した方がいいですか?」
❌「私は法律上、相続人になりますか?」
❌「これは借金ですか?放棄すべき?」
これらは法律判断を伴う相談であり、行政書士はお答えできません。
行政書士ができるのは、
✅ 制度の説明
✅ 手続きの流れの案内
✅ 書類記載の方法説明
までです。
弁護士と連携してサポートするケース
次のような場合は、弁護士の関与が望ましいと考えられます。
✅ 相続人間で揉めている
✅ 財産関係が不明確
✅ 借金の範囲が分からない
✅ 放棄期限が迫っている
✅ 裁判所対応が不安
よくある質問
Q. 行政書士に相続放棄を丸投げできますか?
→ 申立て代理はできません。
ただし、書類準備・案内・作成支援ですべてをサポート可能です。
Q. 弁護士に必ず依頼しないといけませんか?
→ 書類作成だけで足りるケースでは、行政書士のサポートで足ります。
判断が必要な場合は弁護士の関与をおすすめします。
まとめ|「できる人に頼む」が一番安全です
相続放棄は
- 期限
- 書類
- 裁判所手続き
- 法律判断
が絡み合う複雑な制度です。
行政書士は
「書類と手続きを正しく進める専門家」
弁護士は
「法律判断と代理の専門家」
です。
相続放棄についてお困りの方は、
まず行政書士にご相談ください。
内容に応じて、適切な専門家をご案内いたします。


