財産に未上場株がある場合の「純資産」の考え方
― 株価がなくても価値はゼロではありません ―
相続財産の中に、
**未上場会社の株式(オーナー企業の株式など)**が含まれている場合、
「株価がないから評価できない」
「価値はよく分からない」
と感じる方が多くいらっしゃいます。
しかし、未上場株にも必ず評価額があり、
相続税計算や遺産分割に大きく影響します。
未上場株式と「純資産」とは?
純資産とは?
純資産とは、
会社が保有している資産から、
負債を差し引いた「実質的な会社の価値」
を意味します。
会社の財産を式で表すと
資産 − 負債 = 純資産
未上場株の評価方法(概要)
未上場株には市場価格がないため、
国税庁の評価通達に基づき、評価方法が定められています。
主に採用される方法は次の3つです。
① 純資産価額方式
会社の
✅ 不動産
✅ 現金・預金
✅ 売掛金
✅ 有価証券
✅ 在庫
などを評価し、
✅ 借入金
✅ 未払金
を差し引いた金額をベースに株価を算出します。
② 類似業種比準方式
同業種の
✅ 上場企業の株価
✅ 利益
✅ 配当
✅ 純資産
と比較して評価する方法です。
③ 併用方式
中小企業では、
純資産方式と類似業種方式を組み合わせた評価が多く用いられます。
なぜ「純資産」が重要なのか?
純資産額によって、次のことが大きく変わります。
✅ 株式の評価額
✅ 相続税額
✅ 遺産分割の公平性
✅ 事業承継の負担
特に、会社が不動産や多額の預金を保有している場合、
「実態は資産会社」であり、
想定より大きな評価額になる
ケースも少なくありません。
純資産評価でよくある誤解
❌ 赤字会社=価値ゼロ
→ 不動産や預金があれば評価額は高くなります。
❌ 株価がない=無価値
→ 税務上は「必ず評価される」。
❌ 借金がある=マイナス評価
→ 借金より資産が多ければプラスです。
行政書士が関与する場面
行政書士は、
✅ 相続財産としての整理
✅ 会社資料の取得支援
✅ 株式明細の一覧化
✅ 遺産分割協議書への反映
✅ 税理士への引き継ぎ資料作成
を担います。
税務評価は税理士業務です
以下は税理士が対応します。
❌ 評価方法の選択
❌ 純資産の計算
❌ 相続税額試算
❌ 申告書作成
生前対策の重要性
未上場株は、
✅ 分けにくい
✅ 評価が難しい
✅ 税負担が読みにくい
という特徴があります。
そのため生前対策として、
✅ 自社株評価の把握
✅ 株式集約
✅ 遺言書作成
✅ 税理士と連携した設計
が非常に重要です。
まとめ
未上場株の純資産は、
会社の「本当の価値」を示す数字
です。
相続時になって慌てないためにも、
事前の把握と対策が何より大切です。

