✍ ご自身で公正証書遺言を作成する際の基本的な流れと注意点
― 行政書士が見る「失敗を防ぐ3つのステップ」 ―
「公正証書遺言」は、公証役場で公証人が作成する遺言書で、法的に最も安全性の高い方式です。
ただし、実際にご自身で進めようとすると、事前準備の段階でつまずくケースが多く見られます。
この記事では、行政書士の視点から「自分で公正証書遺言を作成する際の基本的な流れ」と
「よくある注意点・失敗を防ぐコツ」をご紹介します。
1.まず理解しておきたい「公正証書遺言」の特徴
公正証書遺言は、公証人が作成し、原本が公証役場に保管されるため、
遺言書の紛失・改ざん・無効リスクを防ぐことができます。
一方で、自筆証書遺言と異なり、
- 事前準備に時間がかかる
- 証人2名の立会いが必要
- 手数料(公証人費用)がかかる
といった点がハードルになります。
まずは、この制度の仕組みを正確に理解しておくことが第一歩です。
2.公正証書遺言の基本的な流れ
ご自身で進める場合、おおまかに以下の手順で進行します。
1️⃣ 遺言内容の整理
・誰に何を相続させたいかを明確に
・遺留分(法定相続人の権利)にも配慮
2️⃣ 必要書類の準備
・遺言者の戸籍謄本・印鑑証明書
・相続人全員の戸籍謄本
・不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書
・預貯金の残高証明など
3️⃣ 公証役場への事前相談・日程調整
・公証人に「遺言内容の概要」「遺言者情報」を伝える
・証人2名を手配(未成年・推定相続人は不可)
4️⃣ 当日の手続き(公証役場で作成)
・公証人が内容を読み上げ、遺言者・証人が署名押印
・正本・謄本を受け取り、原本は公証役場に保管
このように「内容整理 → 書類準備 → 公証役場連絡 → 作成日」という流れになります。
3.よくあるトラブル①:遺言内容の整理不足
「誰に・何を・どのように相続させるか」が不明確なまま相談すると、
公証役場での打合せが長引いたり、再度出直しになることがあります。
📌 ポイント
- 財産ごとに受取人を明確にする
- 相続人以外に遺贈する場合は関係性を説明できるようにする
- 代償分割・遺留分の影響も事前に確認
4.よくあるトラブル②:必要書類の不備
戸籍・登記簿・評価証明書などの取得先が複数に分かれるため、
一部だけ抜け落ちてしまうことがよくあります。
📌 ポイント
- 不動産は「登記簿上の名義」と「評価証明書上の地番」が一致しているか確認
- 銀行口座は「支店名・口座番号」まで特定しておく
- 書類は発行後3か月以内のものを使用
5.よくあるトラブル③:証人の選定ミス
公正証書遺言では、証人2名が必須です。
ただし、次の人は証人になれません。
- 推定相続人・受遺者、その配偶者・直系血族
- 未成年者
📌 ポイント
- 第三者(友人・知人など)を選ぶ
- 証人には「内容の守秘義務」があることを伝えておく
- 行政書士や公証役場に証人を依頼することも可能
6.行政書士が確認しているチェックポイント
行政書士が公正証書遺言をサポートする場合、次の点を事前に確認します。
- 相続関係・法定相続人の確認(戸籍調査)
- 財産一覧の作成と評価額確認
- 公証役場との調整(内容・日程)
- 証人の手配・当日の立会いサポート
これらを事前に整理することで、公証役場での作成がスムーズに進みます。
7.行政書士に相談すべきタイミング
次のようなケースでは、専門家への相談をおすすめします。
- 財産の種類が多く整理が難しい
- 相続人間でトラブルが想定される
- 遺言内容に不動産が複数含まれる
- 病気や高齢などで公証役場に行くのが困難な場合
行政書士は、遺言の内容整理から書類収集、公証役場との連絡調整まで、
ご本人の希望を丁寧に形にするサポートを行っています。
8.まとめ|ご自身で進める場合も、専門家確認をおすすめします
公正証書遺言は、法的効力の強い遺言方式ですが、
内容の不備や書類不足で作成が遅れるケースが少なくありません。
- ✅ 内容を整理してから公証役場へ相談
- ✅ 必要書類を正確にそろえる
- ✅ 証人の条件を確認する
この3点を意識することで、手続きは格段にスムーズになります。
もし途中で迷った場合は、部分的なサポートのみを行政書士に依頼することも可能です。
【ご相談ください】
行政書士事務所FLWでは、
公正証書遺言の作成サポートをはじめ、
相続人調査・財産整理・証人手配など、遺言に関する総合支援を行っています。
「自分で作りたいけれど不安がある」「書類を確認してほしい」
という段階でも、お気軽にご相談ください。

