古物商許可申請でよくある不備とその対策

── 書類の書き方から営業所要件まで、審査で差し戻されないポイント

古物商許可申請では、書類の不備や営業所周りの要件漏れなどが原因で、警察署から「補正(再提出)」を求められることが少なくありません。再提出になると許可取得が遅れ、場合によっては申請そのものが却下されるリスクもあります。そこで本記事では、申請時によくある不備パターンをピックアップし、具体的な対策を解説します。


1. 申請書の記入ミス・漏れ

不備例対策
漢字の誤字・フリガナの誤り記入後は必ず声に出して読み確認。フリガナは戸籍・住民票を参照。
記入欄の空欄(代表者氏名、住所、電話番号など)チェックリストを作成して、全項目埋めるまで提出しない。
訂正印・二重線のルール違反二重線で消し、横に訂正印を押印。訂正理由は不要。
  • 対策ポイント:申請書は「A4サイズ・黒インク・楷書」で。ボールペン書き後、コピーして試し読みすると見落としが減ります。

2. 身分証明書・略歴書の不備

不備例対策
住民票の写しが3ヶ月以上前に発行されている役所で「取得日から3ヶ月以内」の住民票を再取得
略歴書の日付が抜けている、または空白がある学歴・職歴は年月まで記入。空白期間があれば理由を簡潔に記載
写真貼付欄に証明写真がない警察指定サイズ(縦4×横3cm)を証明写真機で撮影し、のり付け
  • 対策ポイント:略歴書は手書きでもOKですが、枠からはみ出さないこと。PDF様式をダウンロードして、そのまま手書きするとズレません。

3. 営業所図面・配置図の不一致

不備例対策
図面の縮尺が不明瞭・道路との接点が描かれていない定規で縮尺(例:1/500)を明記。道路・建物との距離も実測して記載。
許可申請書の住所と図面上の所在地表記が異なる地番・住居表示の両方を図面に併記。申請書の住所と完全一致させる。
自宅兼用事務所で「事務所スペース」が明示されていない部屋を色分け、線引きして「事務所部分」の面積を明確に示す。
  • 対策ポイント:Googleマップの航空写真に手書きで図示し、印刷物を添付するとわかりやすく審査官に伝わります。

4. 管理者(古物管理者)の専任要件違反

不備例対策
管理者が週32時間以上常勤していない雇用契約書・タイムカードで勤務実績を証明できるように準備
他店舗・他業務と兼務している専任管理者としての就業規則を整備。兼務先を明確に切り離す
管理者の身分証明が申請者と異なる住所で発行されている管理者の住民票を再取得し、申請者情報と一致させる
  • 対策ポイント:管理者の雇用契約書に「勤務地:当該営業所」「常勤」「週40時間中32時間以上」と明記し、申請書類に添付しましょう。

5. 標識・掲示義務の不備

不備例対策
事務所入口に「古物商許可票」が掲示されていない許可証交付後すぐに法定様式のプレートを発注・掲示
標識のサイズ・文言が法定要件を満たしていない法令記載の寸法・書体を遵守。業者サンプルを参考に制作
  • 対策ポイント:プレートは申請許可前に準備しておき、許可証受領後すぐに掲示できるようにすると安心です。

まとめ

  1. 申請書は誤字・漏れゼロを目指し、訂正ルールを厳守
  2. 身分証・略歴書は最新かつ完全記入で提出
  3. 図面は縮尺・地番・事務所範囲を明確に描画
  4. 管理者は常勤実績を契約書・タイムカードで裏付け
  5. 許可票は法定様式で即日掲示

これらのポイントを事前にチェックリスト化し、一つひとつ潰してから申請することで、補正対応や却下リスクを大幅に減らせます。万一補正を求められた際も、速やかに再提出できる体制を整えておきましょう。行政書士による事前点検サービスもご活用ください。

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