法人 vs 個人|どちらで古物商許可を取るべき?メリット・デメリット比較
古物商許可を取得する際、「個人事業主として申請するか」「法人(株式会社・合同会社等)で申請するか」を迷うケースが多くあります。事業規模や資金調達、税務・責任面など、それぞれに一長一短があります。本記事では、個人申請と法人申請のメリット・デメリットを比較し、どのような事業者にどちらが向いているかを解説します。
比較項目 | 個人事業主 | 法人(会社) |
---|---|---|
初期コスト | ◎ 登録免許税などの費用のみ | △ 会社設立費用(定款認証手数料・登記費用 等) |
設立手続き | ◎ 簡易(開業届を税務署に提出) | × 定款作成・公証人役場・法務局で登記が必要 |
税務負担 | 所得税(累進課税) | 法人税(一定税率)+消費税・法人住民税 等 |
社会保険 | × 自己負担で国民健康・年金 | ◎ 社会保険加入で労使折半 |
資金調達 | △ 金融機関融資は個人信用重視 | ◎ 会社としての信用で融資を受けやすい |
責任範囲 | × 無限責任(個人資産もリスク) | ◎ 有限責任(出資額の範囲内) |
信用力 | △ 規模が小さい印象 | ◎ 取引先・顧客からの信頼が高い |
継承・相続 | × 事業承継が複雑 | ◎ 株式譲渡でスムーズに承継可能 |
会計・事務 | ◎ 帳簿簡易(青色申告等) | × 決算・申告が複雑 |
1. 個人事業主としての申請が向いているケース
- 小規模・副業スタート:初期投資や手続きコストを抑えたい。
- 簡易な会計処理を希望:青色申告承認を受ければ65万円控除などメリットあり。
- リスク許容度が高い:万一の損害賠償リスクを個人資産でカバー可能。
2. 法人としての申請が向いているケース
- 大規模展開・成長志向:複数拠点展開や社員雇用を見据える。
- 資金調達重視:金融機関からの融資や投資家からの出資を募る。
- リスク管理重視:事業リスクを出資額の範囲内に限定したい。
- 事業承継を計画:将来的なM&Aや子・親族への継承を容易にしたい。
3. 法人化の具体的ステップ
- 会社設立
- 定款作成 → 公証人役場で認証 → 法務局で登記
- 古物商許可申請
- 申請書類に「法人登記簿謄本」「役員略歴書」「定款写し」等を添付
- 管理者配置
- 事務所ごとに専任管理者を法人役員または社員から選任
4. まとめ
- 小規模・手軽さ重視 → 個人申請が有利
- 信用力・リスク管理・拡大性重視 → 法人申請が有利
ご自身の事業計画や資金計画、リスク許容度に応じて最適な形態を選択してください。手続きに不安があれば、行政書士による法人設立支援・許可申請代行サービスをご活用ください。
