「契印・割印・捨印」の違い
~それぞれの役割と押す場面を知っておきましょう~
1. はじめに
契約書や遺言書を作成するときに出てくる「契印」「割印」「捨印」。
名前は似ていますが、それぞれ意味や使う場面が異なります。
正しく理解しておくことが、トラブルを防ぐ第一歩です。
2. 契印(けいいん)とは?
▶ 役割
複数ページにまたがる書類が一体のものであることを証明するために押す印。
▶ 押す場面
- 2ページ以上ある契約書、遺言書など
▶ 押し方
ページとページの間にまたがるように印を押します。
(例:1ページ目と2ページ目の境目に押印)
✅ ポイント
改ざん防止と、文書の一体性の確保が目的!
3. 割印(わりいん)とは?
▶ 役割
異なる文書同士の関係性を証明するために押す印。
▶ 押す場面
- 契約書の正本と控えを作るとき
- 関連する書類同士を結びつけるとき
▶ 押し方
2つの文書を重ね、またがるように印を押します。
(例:契約書の本紙と控えにまたがって押印)
✅ ポイント
別々の文書が「対(ペア)である」と示すために使う!
4. 捨印(すていん)とは?
▶ 役割
文書に軽微な訂正が必要になったとき、事前に承諾を示すための印。
▶ 押す場面
- 契約書の余白部分などにあらかじめ押す
▶ 押し方
何も書かれていない空白部分にポンと押します。
(多くは、文末近くの余白に押す)
✅ ポイント
万が一の訂正に備えるための「おまかせのサイン」。
※ただし、大きな変更には捨印では対応できず、改めて契約し直す必要があります!
5. まとめ ~小さな違いが大きな安心に~
印の種類 | 目的 | 押す場所・場面 |
---|---|---|
契印 | ページ間の一体性確保 | 書類のページとページの間 |
割印 | 異なる書類の関連性確保 | 異なる文書間 |
捨印 | 軽微な訂正への承諾 | 契約書などの余白 |
それぞれの印は、「書類を安全に保つ」ための大事な役割を担っています。
当事務所では、書類の種類や状況に応じた正しい押印方法もアドバイスいたします。
不安なときはお気軽にご相談ください!
